なもあみだぶつを 幼い頃から一生唱え続けた 祖母から
寝物語に聴いた 徳松爺の出世物語が 徳との出合いの始まりです
祖母は 弟の徳松坊やを なもあみだぶつを唱えながら
いつもおんぶしていたそうです
小学を終えた徳松坊は 造り酒蔵の小僧になるため
遠い遠い町へ 旅立ちしました
山を越え 里まで見送った祖母は わが子同様の弟との離れに
涙にむせびながら ちぎれる程に 袖を振って励ましたそうです
徳松少年は期待に応え 苦難を乗り越え 見事に造り酒業を興し
姉への感謝を 「振袖」の名として 酒につけました
熱い感謝の酒は売れに売れ 徳松爺は大旦那になりました
「徳松には 徳がついてるからのぉ
ありがたや なもあみだぶつ」
祖母の徳物語は 姉弟の愛と感謝が大氣となり 大行となり
大徳になって いつもありがたやを咲かせる 確かな存在のようです
祖母ちゃん 徳をありがとう