疎開した福井の山村は 父のふる里でした。
孫の帰郷は村中に知れ渡り とても可愛がられました。
学校で 生涯の先生に出会いました。
「坊の父さんは よう出来た子じゃった」
と言われ びっくりしました。
叱られたとき 私の頭を両手ではさみ込み
「しょうももえもない坊や~!」
と叫びながら 頭を先生の大きな胸にぼんぼんとぶつけるのです。
ようやく止んだので見上げると 先生の目に涙が光っていました。
ほめられたとき
「先生が孔子なら 竹田は顔回や!」
と授業中に叫ばれました。
孔子の大好きな先生からのことばで 私は顔回が大好きになりました。
卒業のとき 勉強しない私に『オール優』の びっくりする通信簿を下さり
生涯の勇氣を贈って下さいました。
「村はずれの藤村碑にあいさつすると
ぐらぐら動いて 喜んで下さるのじゃ」
と本氣で話された 先生からいただいた感動の数々。
今 私の心根から 貯徳満萬の芽を吹出させています。
「根のある感動こそ教育だよ」
天から先生が ささやいています。
たくさんの感動 先生ありがとう。