先祖の眠る山村は 私も過去世で暮したのかもと思わせる
懐かしみのある天地でした。
春の山肌は 杉の枯葉をお尻に敷いて
すべり下りる快感で夢中にさせ 温かく包んでくれました。
そして水々しく芽吹く 可愛い山菜や野イチゴを摘ませ
新鮮な山の息吹きを 味わせてくれました。
緑の中を縫う清流は 小魚を手づかみにするスリルや
あふれるように光り舞うホタルで 歓喜させてくれました。
紅葉の山中に分け入り 長芋のつるから根を探り
掘り下げてゆくドキドキは格別でした。
そして 甘~いあけびの実を発見したときの歓声は
山にこだましました。
雪国の冬は 囲炉裏の季節でした。
雪に凍えた手足を 囲炉裏の火は蘇らせてくれました。
雪に冷えた体を 熱い雑炊や甘酒で温めてくれました。
訪れたり 訪れられたり お付き合いの喜びを
囲炉裏の火は照らしてくれました。
スキーで雪の山野を駆ける冒険は わくわくドキドキでした。
雪の間を流れる清流に見た ねこやなぎのふくらみは
生涯の自然への道しるべとなりました。
根のある暮しは 自然に感動する暮しです。
風流をありがとう。